ルキアが眠っている間…

ルキアを見守る一護の心境は…

 

 

 

 

 

 

 

 

知らない世界




 




チッ、チッ、チッ、チッと時計の針が動く音が部屋中に煩いぐらい響きわたっていた。
しかし、部屋の中にいる一護には針が動く音が耳に入ってこなかった。
耳だけではなく明りのついている部屋なのに何故か周りが暗い部屋にいるようなぐらい暗く見えてしまう。

知っている部屋なのに知らない部屋とも思ってしまいそうだった。
今の一護には目の前にある布団で眠っているルキアの事で頭がいっぱいで時計の針が動く音が耳に入らない状態だった。
笑ったり、怒ったり、気が強くいつも元気な彼女だが今は白雪姫が毒りんごを食べて眠っているかのように瞳を閉じていた。
瞳を閉じているルキアを見つめながら一護は暗い表情をして今日あったとても嫌な出来事を思い出していた。 

ほんの数分前の出来事だった。
学校から帰ってきて雑誌を読んでいたり学校で出された宿題等をやっていた俺とルキアは指令が出て互いに死神化して虚の気配がする場所へと向かった。
気配のする場所は空座町内にある川原のところで俺にとって思い出したくない出来事が起こったあの場所の少し離れたところだった。
虚の気配がする川原から少し離れた場所は昔、お袋が虚に殺された場所で俺は少しだけ嫌な予感がしながらもそこへ向かった。 
川原には虚は全部で4体いて駆けつけた俺とルキアは2手にわかれて虚と戦った。 
俺の方の虚は姿を消す虚といつも現れる虚と変わらない強さの虚で俺はまずいつも現れる虚と変わりない強さの虚を倒した。
虚を一体倒した後、俺がもう一体の虚と倒そうと闘い始めるとその虚は一護に攻撃をしながらあの場所と逆の方向に向かっていた。
その時の俺はあの虚の行動が俺とルキアを離れさせる為にやっていたことだと気付きもしなかった。
俺はその虚の攻撃を避けながら虚の後を追い駆け虚を倒した。
2体の虚を倒すと俺はルキアの方はどうなんだ?と、思いながらルキアの闘っている方を向くがここからではルキアの姿見えずルキアの霊圧がする方へと向かった。
ルキアの霊圧がするところは虚と戦い始めた場所から離れていてしかも、ルキアの霊圧がする場所はお袋が殺された場所だった。
この場所にくる時と同じように嫌な予感がした俺は急ごうと思い瞬歩を使ってルキアの霊圧がするところへと向かった。
ルキアの霊圧がするところに駆けつけるとそこには地面に背中から血を流して倒れているルキアがいて近くには虚が一体だけ立っていた。


『ルキア!』


驚いた俺は倒れているルキアの名前を呼びながら倒れているルキアの傍に駆け寄った。
ルキアの傍に駆け寄るとルキアの近くに立っているその虚は姿を消して何処かへと消えていった。
虚が残り一体だけだからもう一体は倒したんだな・・・と思いながら俺は倒れているルキアの容態を見た。
怪我をした所為なのかルキアの呼吸は長距離を走って疲れた時のように荒く背中の傷口から赤い血がどんどん流れ出ていた。
それから俺は背中から血を流しているルキアにお姫様抱っこをして浦原商店に連れて行き浦原に事情を話してルキアの傷の手当てしてもらった。
傷の手当てをしてもらったおかげで背中から流れ出る血は止まり傷もほとんど塞がれ、ルキアは浦原商店の奥にある部屋で寝かされた。
ルキアが奥の部屋で寝かされると俺はすぐさまルキアが寝かされているの部屋へ行きルキアの傍にずっと座っていた。
俺が駆けつけた時からルキアは大きな瞳を閉じて物語に出てくる眠り姫のようにずっと眠っている。

「ルキア…」


―俺がもう少し早く虚が企みに気付いていればこんな事にはならなかった…。

一護は思い悔やみながらルキアの名前を呼んだ。
だけどルキアの耳には一護の声が聞こえないのかルキアは目を閉じたまま起きる様子がなかった。


「目を開けてくれよ…」


そう言いながら一護は眠っているルキアの額にそっと触れた。
額に触れると額からはルキアの優しく暖かな温もりが一護の手に感じられてきた。
このまま目覚めなかったら、俺はどうすればいいんだという不安が頭を横切った。
早く、彼女の時間が元に戻りいつもの笑顔を見せてほしい…。

そう願いながら一護は彼女の名前を問い掛け続けた。


「ルキア…」


目を開けてくれ…!と、一護が願いながら名前を呼ぶとルキアは一護に答えるかのように瞼をゆっくり開けた。
さっきまで眠っていたルキアが目を覚ますと、心の底から喜びが込み上げてきて一護は嬉しそうな声でルキアの名前を呼んだ。
これから起こることも知らず…。

 

 

彼女は知らない世界へと旅立ってしまいました。

さぁ、そんな彼女をアナタはどうしますか?

 

 

 

To be continued

 

 

 

 

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