何らかの原因で突然…自分の記憶…あるいは…自分の愛する人の記憶がなくなってしまったら…

 

 

 


あなたは・・・一体・・・どうするのですか?

 

 





知らない世界









―…ルキア…―







辺りには何があるのかと思うほど何も見えない冷たくとても寂しい感じのする暗黒の中…
何処からなのかわからないけどとても優しい声が何も見えない私の耳に届いた。
音程の低い声。多分、男の人の声。
男と言うより…まだ成長中の少年って感じだった。
知っているような声、だが、それが誰の声かわからない。
―…誰だ…?


暗い暗黒の中不思議に思っていると、暖かくてとても優しい手が私の額に触れている感覚が伝わってきた。
私はその優しい手の感触はさっきの声と同じように知っているような感じがした。
それにとても落ち着く感じがした。






―…目を…開けろよ…―






また、優しい声が聞こえた。
その声はさっきと比べとても悲しそうな声で私にささやいてきた。


―…一体、誰なのだ…?
どうして…泣きそうな声で私に言ってくるのだ…?
…わからない…この人はどうしてそんなにも悲しい声をして私にささやいてくるのかが…
どうして…私にささやいてくるのだ…?





―…ルキア…―





―…ル…キ…ア…?
誰なのだ…ルキアとは…
わからぬ…しかし、聞き覚えがある名だ…
この名を持つ人は一体どんな人なのだろう…


私がいろいろ考えていると私の額に大きな手が触れた感触が伝わってきた。
大きな手は私の頭を割れやすい物をあつかうかのように優しく撫でてきた。


…貴様は誰なのだ…?
どうして…私の頭を優しく撫でてくるのだ…?
…わからない…わからない…!
…教えてくれ…私に…その理由を…教えてくれ…

 

 


少女が理由を教えてくれ…と、強く願っていると瞼という重い扉がゆっくりと開いた。

少女が知らない世界へと繋ぐ扉が開かれた。

その世界ではどんなことが起こるのか誰も予測出来ない。

 


To be continued



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