一通のメールに願いを・・・

 

 

 





大晦日の夜・・・
大勢の人が夜なのに初詣に行こうと家の近くにある神社に向かっていた。
神社にいる巫女さん達は参拝客のためにお守りや絵馬などの準備や参拝の準備などで大忙しだった。
そんな中、一護とルキアは大勢の人にまぎれて初詣に行こうと神社に向かっていた。

「はぐれるんじゃねーぞ」
「うぬ、わかっておる」

一護はルキアに忠告したあとはぐれないようにルキアの手を強く握り締めた。
2人は手をつなぎながら人込みにまぎれながら神社の奥の方へと進んで行った。
来年まであと20分・・・。
神社には人々が大勢訪れていて満員電車のように人込みが激しかった。
その所為か強く握っていた手が離れてしまった。

「一護!」
「ルキア!」

一護とルキアはそれぞれの人の流れてのみ込まれてしまい2人は離れ離れになってしまった。
ルキアは人込みにまぎれて一護を探したが見つからず人込みから外れてある木の下で一護を待つことにした。
一護に連絡をとろうとルキアはコートのポケットから携帯電話を取り出してメールをしようと思ったらふと思い出したことがあった。
『0時になったらメールが遅れなくなるぜ』
神社に行く前の一護の言葉がルキアの頭に浮かんだ。
時刻は23時50分・・・。
来年になるまであと10分だった。
この神社にある除夜の鐘がさっきから鳴り響いていて今年ももう終わりかとルキアは暗い表情をしながら思った。
でも、年越しは一護と過ごしたい・・・と心の中でそう思ったルキアは一護へのメールを作成して送ってみた。
一護にメールを送ったルキアは携帯を閉じて一護にメールが届きますようにと携帯電話を握り締めながら強く願った。
それから8分ぐらいだろうかルキアは一護が迎えに来ますようにとずっと願っていたが一護の姿は見えずもうダメなのかと俯いた。

「ルキア!」

ルキアがあきらめていると突然自分の名前を呼ぶ声がしてもしかしてと思ったルキアは顔を上げて人込みの方を見た。
人込みから離れ離れになった一護がこちらへと走って向かってきていた。

「一護・・・」

やっと会えたと思いながらルキアは走ってくる一護を安心した表情で見つめた。

「はぐれるんじゃねーぞと言っただろ!」

ルキアの傍に駆け寄ってきた一護は安心した表情をしているルキアに向かって怒鳴った。

「すまぬ・・・」

ルキアは一護に心配をかけて申し訳なさそうな表情をしながら俯いた。
ルキアが俯いていると一護は少しキツく言ったかと自分が言った言葉に反省した。

「まぁ・・・運よく俺にメールが届いたからいいけどな」

ルキアはまったくだと思い苦笑しながら顔を上げて一護の顔を見つめた。
一護が今何時だと思いながら携帯電話の時計を見ると午前0時ぴったりになっていて年が2005年から2006年へと変わっていた。

「あ・・・もう来年になりやがったのか・・・」

携帯の画面を見ながらそう言うと一護は携帯電話をポケットの中にしまった。

「一護、明けましておめでとう」
「明けましておめでとう、ルキア・・・今年もよろしくな」
「うぬ、こちらこそよろしくな」

新年の挨拶をお互いに言った2人は顔を見合わせて自分達が言ったことが少し可笑しそうにクスッと笑った。

「お参り・・・行くか?」
「うぬ」

一護とルキアはまた手をつなぎお参りをしようとまた人込みの中に入っていった。
もう離れ離れにならないように2人はお互いの手を強く握り締めたのであった。




end





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